雇用とはなにか(代表社会保険労務士 髙田 零)

雇用は契約

雇用とはお互いに義務のある契約

そもそも雇用とはなにか?と問えば、それは民法に定めのある双務契約の一変形にほかなりません。雇用者には賃金を期日内に全額支払うという義務(債務)があり、被用者には誠実に労働を提供するという義務(債務)があります。その交換で成り立っているのが労働契約です。

そして一般の商取引における契約がそうであるように、労働契約にもたくさんの細かい決めごとがあります。すべての労働者、あるいは正職員、パート職員といった集団に対して適用しうる定めは就業規則によって定められます。就業規則は、労働契約法によって、その効力発揮の要件を規定されていますが、じつは労働契約の一変形である、と私は考えています。

これに対して各労働者それぞれに取り交わされる契約が労働契約(雇用契約)です。このため、労働契約には商取引の特約のように、当該労働者にだけ適用されるような定めが含まれます。

大切なのは説明と理解

雇用にっとて大切なことは説明と理解

就業規則も、労働契約も契約文書であるからには、大切なことは、お互いに内容と効力を理解して取り交わすことであると私は考えます。

私たちは、雇用契約書(労働契約書)や就業規則をお客様に提供いたしますが、その内容を、雇い主様も従業員様も理解されない、ただ形だけ整っていれば良い、という状態を決して良しとはしません。

労働契約も就業規則も、お互いの約束事を取り決めたものです。その内容はきちんと説明され、可能な限り理解されなければならないのです。

目指すものは安心、その先に成長

安心できる職場に成長がある

、お互いの約束事の理解によって得られるものはなにか?それは、労使それぞれの安心感ではないでしょうか。

行動経済学の研究では、労働者の安心感は組織の発展にとってきわめて重要と考えられています。労働者(あるいは組織のメンバー)は安心感の醸成と技能の向上による発達段階を踏み、自律的に向上を目指すことのできる存在へと進化していくとされるのです。

社会保険労務士として、私たちはお客様の組織の発展にコミットしていきたい、その第一歩としてお客様のすべての従業員様が安心して働いていくことができる仕組みを提供していきたい、そのように考えて日々の業務を行っています。